最近、玄海地区で急増している海洋プラごみが漁網に入るなど漁業操業に支障が出ていることから、豊かな玄界灘の海と漁業を後世に残すために、2022年から2024年にかけて海岸で15回、沿岸域(海面、海底)で5回の海洋プラごみ回収活動を実施し計3,782kgを回収しました(回収した海洋プラごみは、すべて固形燃料(RPF、フラフ)にリサイクルしました)。
その結果、海岸の海洋プラごみ集積量は鎮西町波戸岬から西側の入り江の海岸で3.4~4.0kg/m2と多く、東側の海岸は0.4~0.9kg/m2でした。また、海外から流れてきたと考えられるペットボトルや生活用品、外国漁船が使用していたと考えられる漁具などの割合は、西側で57~62%と多く、東側で23~30%と少ないこともわかりました。漁業者によると、強い西風が吹く秋季から冬季にかけて西側に面した入り江に特に多くの海洋プラごみが集積するようです。
また、正確なデータではありませんが、波戸岬から西側の海岸では毎年新たに0.5~1.0kg/m2の海洋プラごみが集積しているとみられるとともに、一部の海岸ではすでにマイクロプラスチックも確認されています。まだ海洋プラごみをめぐる国際条約の合意がみられない中で、まずは行政による積極的な回収が必要となっています。